昨今テレビ番組やネットニュースなど、様々なメディアで話題になっている「スマホ老眼」。20～30代の若年層を襲う新しい国民病として問題視されています。

スマホ老眼は、進行すると視力の低下や心の病まで引き起こす恐ろしい病気です。デジタル機器が普及した現代において誰もがスマホ老眼になる可能性があり、スマホ利用者が多い現代社会だからこそ是非気にかけて欲しい現代病の一つだと思います。。

そもそも「スマホ老眼」って？

スマートフォンをはじめとし、PCやテレビ、タブレットにゲーム…私たちは1日中休むことなく目を酷使しています。スマホ老眼とは、こういったデジタル機器の使い過ぎによって発生する"目のピント調節機能の異常症状"です。初期症状は一時的なものですが、放っておくと慢性化し、老眼の進行や精神面にも影響を及ぼす「VDT症候群」を引き起こしかねません。

【老眼との違い】

通常の老眼は、加齢によって目の筋力や水晶体の弾力性が弱まることでピント調節機能が衰え、近くのものが見づらくなってしまう状態を言います。

一方スマホ老眼は、長時間近距離でデジタル機器(スマートフォン)を見続けることによって目の筋肉が緊張し、パッと遠くを見た際すぐにピントが合わず、ぼやけてしまう様な状態です。つまり根本の原因が「加齢」ではなく「目の使い過ぎ」という点が老眼との大きな違いです。

また、老眼は老化現象のため症状が慢性的に現れますが、スマホ老眼の症状は一時的なもので、時間を置くことで見え方が改善します。しかし、目を酷使し続けていると徐々に重症化し、慢性的に見えづらくなる場合や、老眼の発症を早めてしまう恐れもあるため注意が必要です。また、症状が悪化することで「VDT症候群」を引き起こす可能性もあります。(527文字)

スマホ老眼によって引き起こされるVDT症候群とは

VDT症候群は、スマホ老眼の延長線上にある現代病です。VDT(ヴィジュアルディスプレイターミナル)、所謂PCやスマートフォンなどの"表示機器"を長時間見続けることにより、眼精疲労やドライアイなどの目にまつわる不調だけでなく、肩こりや頭痛、不眠、抑うつ状態などの様々な症状を引き起こします。

一時的に目の見え方に異常が出るスマホ老眼とは異なり、"慢性的に"身体や心にまで影響を及ぼしてしまうのがVDT症候群の特徴です。

PC作業が当たり前となった現代において、誰もが発症する可能性のあるVDT症候群。主な原因は、(1)眼精疲労　(2)身体への疲労　の2つです。作業環境を見直し、VDT症候群の予防に努めましょう。

(1)眼精疲労

室内の照明と画面の明るさに差がある場合、目への負担が大きくなります。照明に対して画面の明るさが適切かどうか確認しましょう。また、表示機器の画面から発生するブルーライトは、目の水晶体と網膜の中心にある「黄斑部」に強い刺激を与え、眼精疲労に繋がります。画面の光度を下げたり、ブルーライトカットのフィルムやメガネを利用して目に入る光の量を減らしましょう。

(2)身体への疲労

作業環境にもよりますが、長時間のPC作業は身体への疲労が溜まりやすくなります。キーボードやマウスの位置、椅子の高さが適切かどうか、今一度見直しましょう。また、同じ姿勢が続くことによって肩こりや腰痛の原因となります。作業が長時間に渡る場合は、1時間に1回程度は席を立ち、ストレッチや遠くの景色を眺めるなどの休憩を取りましょう。

スマホ老眼の対策法とは

老眼の進行やVDT症候群を引き起こすスマホ老眼。最も有効な予防法は、「デジタル機器を使わないこと」です。しかし、スマートフォン"1人1台"が当たり前になった現代において、その選択肢を取るのはあまり現実的ではありません。大切なのは、健康面に配慮したデジタル機器との付き合い方です。

スマホ老眼予防で最も大切なのは、"眼精疲労を溜めないこと"。デジタル機器の使い方を見直したり、血行促進や目の栄養補給を心がけ、目を健康に保ちましょう。

(1)デジタル機器の使い方

スマホ老眼の主な原因は「近くの画面を長時間見続けること」。つまり、重要なのは”目と画面の距離”と、”連続使用時間”です。スマートフォンを使う際は画面を目から40センチ以上離すことを心がけ、こまめに瞬きをしたり遠くの景色を眺めて目を休めましょう。

また、VDT症候群の予防法と同様に、画面の明るさを適切に設定することや、ブルーライトカットを心がけることも眼精疲労のケアに繋がります。

(2)目の血行促進

眼精疲労が蓄積すると、目の血管が収縮し血行不良になってしまいます。長時間デジタル機器を使った際に目がかすんだり、ショボショボするのはこのためです。PC作業やスマートフォンの使用が長時間に渡った際は、疲れ目に効くツボを押してマッサージする、視線をぐるぐる回して目のストレッチをする、ホットタオルで目を温めるなどの方法で、目の血行促進を心がけましょう。

(3)目の栄養補給

眼精疲労の対策には、目の栄養補給も欠かせません。"目の栄養"の代名詞、「ブルーベリー」に含まれるアントシアニンは高い抗酸化作用を持ち、疲労回復のほかブルーライトによる目への影響を軽減する効果が期待でき、スマホ老眼の対策に最適です。

また、ほうれんそうやブロッコリーに含まれる「ルテイン」にも、眼球内の酸化を防ぐ効果が期待できます。そのほかビタミンA,ビタミンB,アスタキサンチン、DHAなど、目に良い栄養を積極的に取るように心がけましょう。

まとめ

スマートフォンをはじめ、デジタル機器を手放すのが難しい現代において、大切なのは「付き合い方」。ちょっとした心がけによって、目を長く健康に保つことができます。スマートフォンやPCが手放せないというあなたは、ぜひ今日からデジタル機器との付き合い方を見直してみてください。